皆さんこんにちは、らく~だです。
今回は調理器具ネタ。
いや~流行ってますね鉄板。
「ヨコザワ鉄板」なんていうソロキャンプ専用品まで出ちゃってます。
筆者も実は結構前から持っているんです。縦横30㎝で厚み12㎜、重量10㎏と超ヘビーなヤツ。
コレで焼き物するとマジ美味いんですよ!肉はジューシー、野菜はベタベタせずにシャキっとしっかり火が通せます。アウトドアだけじゃなくて、ここぞというときは自宅でも利用します。
お好み焼きも外はカリっと中はモチっとお店で食べるような仕上がり!!
今回はそんな素敵な調理器具、極厚鉄板を皆様にもおススメしますよという記事になります。
肉厚な鉄板で調理すると何故美味しいのか
鉄板の売り文句と言えば、「ひっつかない」とか「ジューシーに焼ける」とかだいたい書いてあります。結論から言うとまさにその通りなのですが、なぜそうなるのでしょうか。
簡単に言うとズバリ「熱伝導性」「蓄熱量」「油馴染み」となります。
熱伝導性
水であれ、金属であれ、プラスチックであれ物質には接触した対象物の熱を吸収し逆に自身の熱を伝えます。氷に触って冷たいな~という感覚も氷から熱(冷たい)が伝わってきた証拠。
この熱の伝わり方に物質ごとに個性があり効率がそれぞれ違うんです。それを数字にしたもので「熱伝導率」です。熱伝導率が高いほど相手の熱を効率よく吸収し、自分の熱を効率よく相手に伝えます。つまり、熱伝導性が高いと、ガスコンロ等の熱源の熱を効率よく吸収して、調理している食材にその熱を効率良く伝えられるという事になります。
熱伝導性の面で鉄板が良いのは調理器具で一般的に使われる金属の中で程よい熱伝導性を有しているからに他なりません。下記が熱伝導率の一覧になります。鉄は銅、アルミに次いで3番目に熱伝導率が高いですね。ん?3番目、、、2番のアルミの方が良いじゃんってなりますよね。
熱伝導率 W/(m・k) |
比重 g/㎤ |
比熱 J/(g・k) |
|
ステンレス(ニッケル系-SUS304) | 16.3 | 7.93 | 0.502 |
ステンレス(クロム系) | 26.0 | 7.70 | 0.460 |
アルミニウム | 239 | 2.69 | 0.917 |
銅 | 393 | 8.93 | 0.386 |
鉄 | 80.4 | 7.87 | 0.44 |
チタン | 22 | 4.51 | 0.527 |
美味しく調理のできるコツの一つとして、熱を効率良く伝える事は必要なんですが、熱伝導性は、熱の伝わりやすさなので伝導率が悪くても時間をかければきちんと温度が上がりますし、逆に熱が逃げにくいので適温を保ち安いとも言えます。そこでもう一つ鉄の持つ性質で大切な要素があります。
蓄熱性
さきほど熱伝導率が高い方が素早く対象の物質から熱を受け、伝えられえるとお伝えしました。でも言い換えると自身の熱を与えて対象を温めるので自身の熱も奪われやすいという事になります。
実は、焼きもの料理で材料がくっついてしまったり、美味しく焼けないのはコレが原因の事が多いです。フライパン等を加熱して材料を乗せた瞬間、材料がフライパンの熱を奪って温度を下げてしまうんです。
フライパンの温度が下がるとフライパン表面と材料の間にうまく油が回らなかったり、加熱によりうまく剥離せずにくっついてしまうんです。鍋やフライパンを調理前に温めるのはできる限り温度を保つためです。
これは乗せる食材が重ければ重いほど、大きければ大きいほど顕著になります。それはなぜかというと食材も大きいと蓄熱量が多くなるので、調理器具に載せた際にたくさんの熱を調理器具から奪うという事です。基本的には質量が高ければ高いほど自身に蓄えられる熱量が大きくなるので食材も大きければ大きいほど調理しにくいという事ですね。。
アルミニウムは熱伝導性は高いのですが、軽くて蓄熱量が少ないんです。つまり熱しやすく冷めやすい。鍋や煮込み料理等、水等の別の液体を介して材料を加熱する場合は液体の蓄熱量を利用できるので、アルミの熱伝導性を生かして素早く水等の温度を上げられ、なおかつ液体で蓄熱するので温度も下がりにくいのですが、焼きものの場合材料を乗せた瞬間に自身の温度が保てなくなっちゃうんですね。
先ほどの表の「比重」が高ければ高い程、同じ大きさ・厚みの材料であれば質量が高くなります。鉄の比重はステンレスに極めて近く、銅より少し劣る程度です。
ステンレスは蓄熱量は多いんですが、熱伝導性が悪いんですね。つまり熱源の熱を調理器具を介して食材に伝えるのが遅くなるという事。言い換えれば熱しにくく冷めにくいため保温性に優れているとも言えます。
調理方法や食材によって、向き不向きがあるということです。
油馴染み
3つ目は、一言でいうと油が馴染みやすいということですね。油馴染みが良いという事は食材がひっつきにくいという事。鉄は先ほどの表内の金属では油馴染みが圧倒的に優れています。
それは何故なのでしょうか。鉄はもともと多孔質(見えないサイズの小さい窪みや穴が一杯)な材料で加熱することにより表面が酸化(加熱による参加を黒錆とも呼びます)して、表面が更に多孔質になったり硬度が上がったりします。「黒皮鉄板」等良く言われますが、これは製造時に鉄を冷やす過程で酸化したものです。つまり製剤した時のままで加工していない状態でかなり厚い酸化被膜が形成されている状態。
多孔質だと、油がその細かい穴に入ることにより、食材との間を油膜で保護してくれます。また、表面が固いので傷つきにくく、窪みや穴が潰れにくい。
シーズニング(油慣らし)という言葉も良く使われますが、あれは鉄の調理器具に参加被膜を作り、さらにその酸化した表面に油を酸化させた膜を載せて食材をこびりつきにくくする処理になります。もちろんシーズニングも油馴染みがが高い方がきれいに油膜を張れるので有利になります。
鉄のこれらの特性が組み合わさって、程よく素早く、安定した温度で食材を快適に加熱ができるので、美味しくできるというワケです。質量が高ければ高いほど蓄熱量が多くなりますので鉄板は大きければ大きいほど、厚ければ厚いほど美味しく調理ができると言えるでしょう。ただし、あまり大きい鉄板をムラ無く熱する場合はそれなりに広範囲な熱源が必要なので広さはほどほどに、ということになります。
同じ鉄でも品質により特性も異なる
鉄は調理器具として非常に優秀という話をしましたが、材料を製造する際の原材料の純度等の品質、製造環境の温度や湿度等により、鉄の性質も大きく左右されます。
多孔質なのは低品質な材料に多い傾向があると思われますが、この特性は調理をする際はメリットなので鉄の品質が低いからダメとか、高いから良いとか一概に言えません。
ただ、品質のムラ(一枚の鉄板で場所により材料密度や強度が異なったりする)の観点で言えばよりコストの高い工業用の鉄板等の方が品質が安定しており、熱伝導や蓄熱の場所による偏り等が少なく優れていると言えると思います。
鉄板工房(MM Factory)の極厚鉄板
筆者が愛用している鉄板はいずれも鉄板工房(MM Facroty)さんで製造、販売されているものです。元々、工業用鉄板の加工をされている業者さんで、鉄板は全て工業用鉄板、さらに鉄板表面の状態等も考慮して一つ一つ手作りで作られておられるようです。
先ほどからポツポツ写真が出てきていますが、筆者の愛用している製品をご紹介しますね。
オリジナル 12㎜厚 MSサイズ
鉄板工房さんで一番ベーシックな製品で食材や油が外部に落ちない様フチを立ち上げて取っ手を設けたもの。これぞ「THE 鉄板」という感じですね。厚さは6㎜、9㎜、12㎜と3種類の展開をされていますが、筆者が利用しているのは12㎜のものです。
流石に蓄熱量は凄まじく十分に余熱するのに強火で5分~10分ぐらい、利用した後で手で触れるまで冷ますのに30分~1時間はかかります。
Amazonや楽天でも類似品が出回っていますが、12㎜厚のものは流石に取り扱いがありません。
こちらは9㎜厚のもので、鍛造ペグ等を作っている燕三条の日本のメーカーのものなので品質は問題無さそう。
でも同じサイズ・厚さのもでも鉄板工房さんの方が圧倒的に安いのですぐに欲しいとかでなければ鉄板工房さんで購入することをおススメします。また、取り扱いが無いサイズもオリジナルで作成頂けるところが鉄板工房さんの強みです。
鉄鍋
こちらは他では販売していない鉄板工房さんオリジナルの調理器具。(前述のオリジナル極厚鉄板も元々は鉄板工房さんオリジナルだったものを他の業者さんがマネされたものだと思いますが、、、)
名前の通り鉄の鍋なのですが、極厚鉄板と同じく6㎜もしくは9㎜の鉄板をプレス成型してできたもの。鉄の塊ですよコレ(笑)ステンレスのフタや本体と同じ6㎜の極厚鉄板製フタをオプション購入すればダッチパンとして使えるので焼き物、鍋、餃子等の蒸しもの、その他無水調理もできる夢の様な万能調理器具になります。
筆者はこの鉄鍋をベースにカスタムしたものを作成頂いて、ほぼ毎回キャンプやバーベキューで利用しています。
まとめ
記事の内容は如何だったでしょうか。
タダの調理器具、されど調理器具です。食材は料理ごとに用意しますが調理器具は複数の料理で共有するかたちになるので、極厚鉄板を1枚持っておけば色んな料理がおいしく作れます。
最後になりましたが鉄板工房さんのホームページへのリンクを張っておきますので興味が出られたかたは是非覗いてみられてください。
それではまたまた!!