皆さんこんにちは、らく~だです。
2018年に3型から4型後期(5型)に乗り換えて走行15000kmに達しました。
エンジンの特性もだいぶ分かってきましたので、このあたりで一度インプレッションを書いておきます。特に新型エンジンってどうなの?という質問が各所で目立ちますのでエンジンを軸にインプレッションを述べたいと思います。
それではいってみましょ~
2017年12月の一部改良でエンジンが新型になった
記事タイトルの通りなのですが、ハイエースの2017年12月の一部改良にて4型後期(5型)となりエンジンが新型に載せ替えられました。筆者は3型から乗り換えたのですが、乗り換えを決断した大きな要素として、このエンジンの変更がありました。
具体的には3型まで採用されていた型式1KD-FTVのエンジンから、現行のランドクルーザープラド等に採用されている1GD-FTVへの変更となります。また、エンジンではないのですが変速機が4AT→6ATに変更されています。
他ブログ等で”クリーンディーゼルが採用された”等の記事をみますが、実はハイエースは随分前(2型)からクリーンディーゼルになっています。「クリーンディーゼル」とは、2009年10月に施行された”ポスト新長期規制”に対応したディーゼルエンジンの事。つまり同施行日以降に登録された車両はすべて「クリーンディーゼル」なんです。
変更前・変更後それぞれのスペックは下記となります。
型式 | 1KD-FTV | 1GD-FTV(ハイエース) | 1GD-FTV(プラド) |
種類 | 直列4気筒 | 直列4気筒 | 直列4気筒 |
排気量 | 2,989cc | 2,754cc | 2,754cc |
出力(PS) | 143ps | 151ps | 177ps |
トルク(kg/f) | 30.6kgf・m/1200-3200rpm | 30.6kgf・m/1000-3400rpm | 45.9kgf・m/1600-2400rpm |
燃費(JC08) | 10.6km/l | 12.2km/l | 11.2km/l |
変速機 | 4AT/5MT | 6AT | 6AT |
1KDと比較して排気量は下がり馬力は8psアップ、最大トルクは同じもののレンジが上下とも200rpm程広がり扱いやすい特性になっていることが見て取れます。
同じ1GDでもプラドに搭載されているものと比較すると出力・トルク共に大幅にデチューンされています。これは、ハイエースの車両の特性上、荷台の低さを確保するためにデファレンシャルを大型化できず、これの耐久性を考慮して抑えられている様です。また、単にデチューンされただけかというとおそらくそうではなく、トルクレンジは圧倒的にハイエースの方が広く多量の荷物積載を前提とした設定の結果であるとも言えそうです。
スペックで今回のエンジンを比較すると、少し良くなっているという印象でそんなに大したものには見えません。では今回のハイエースに搭載されたエンジンの何が凄いのでしょうか。
熱効率最大44%、設計寿命100万kmオーバー?!
今回搭載された1GD-FTVという型式のエンジンですが、全世界でのグローバル展開を前提に開発されたディーゼルエンジンです。1KD-FTVもそうなのですが、これらのエンジンはあらゆる過酷な環境で動作するように設計されています。
零下数十度の極寒地、50度を超える高温な環境、砂漠、高地等、あらゆるシーン・用途を想定しているとのことです。また、エネルギーの元となる燃料や酸素をどの程度運動エネルギーに変換できているかを示す熱効率が44%となり、この値は世界最大とのこと。もちろん、効率よくエネルギーに変換できた方が燃費も良くなりエコということになります。
さらに、設計上のエンジンの寿命は少なからずとも100万km程度はあるとのこと。もちろん動作することが保証されているわけではありませんが、それほど壊れないように作られてはいる、という事です。開発者の方の説明動画があるので是非こちらを。
つまり、要約すると前(1KD)よりパワフルでエコで丈夫なエンジンが1GD-FTV、ということになります。
もちろん、メリットばかりではなくデメリットも。まずは排気浄化システムに尿素分解方式が採用され、定期的に尿素(アドブルー)を補給してやる必要があること。ハイエースの場合はアドブルーのタンクが7Lちょっとで、だいたい5000kmごとに注ぎ足してやることになります。アドブルーはディーラーおよびガソリンスタンドで取り扱いしているのでそんなに心配する必要はありませんが、1KDでは必要が無かったものなので邪魔臭いといえば邪魔臭いです。
もうひとつはエンジンの価格が上がっているということ。実際には他の装備変更も含めた価格アップしか分からないので何とも言えませんが、数万円程度値段が上がったとみてよさそうです。
エンジンのパワー・フィーリング
スペックからもわかる通り、絶対的なパワーという意味ではそこまで変わってはいません。ただ、ミッションが4ATから6ATになっているのもありアクセルに対するレスポンスが鋭くなっており、また前ほど回転数を上げずに加速ができる印象で変速も非常にスムーズです。
大雑把な印象では、パワー感はそれほど変わっておらず、加速はすごくスムーズになった、というのが正解なのではないでしょうか。どちらかというと6速ATによるフィーリング変化が大きそうです。
静粛性
これは圧倒的に1GDで静かになりました。こちらも前述のように6速AT化による恩恵が大きいとみられますが、最大トルクのレンジが下がった事も影響していることでしょう。
筆者の車両はまだ走行1000km程度ですので何とも言えませんが、現時点ではガソリンの乗用車レベルの静粛性と言っても過言ではない程静かになっています。ただし、回転数を上げると前型とそこまで変わらなくなります。
YouTubeでエンジン音を比較している動画を見かけましたが、やはり動画の音声ではどの程度変わったのか伝わってきませんでした(^^; これだけは実際に試乗して体験してみるしかないと思います。
通常のペースで走行するのであれば、新型の静かさに驚くと思います。
燃費
筆者はまだ走行が1000kmなので、実測も少なく参考にはならないのですが市街地7高速3ぐらいの割合、メーターの燃費計で10.5km/lあたりを差しています。また、先日市街地3高速7の割合で満タン法で実燃費を計算したところ満タン状態から550km走行し、44リッター給油し結果、12.5km/l程度となりました。
前型のエンジンを搭載した3型では高速メインでやっと10を超す程度だったと思いますので明らかに燃費が改善されています。
※現在、メーターの燃費計は10.5kmを差しており、どの程度の間隔の統計を表示しているかはわかりませんが燃費の過大表示をしている印象ではなくむしろ抑え気味に表示されているような感じです
ちなみに筆者の車両はワイドボディの架装車で車重が2,250kg程ありますので、標準ボディのノーマル仕様であれば更に燃費が良くなると思います。
尿素水(AdBlue)の補充が必要
4型後期(5型)のディーゼルエンジンは排気浄化装置として「尿素SCRシステム」が採用され、排気ガスが綺麗になった代わりに一定間隔で尿素水(アドブルー)の補充が必要になりました。
しばらく走行を重ねた筆者の感想は「ほとんど意識しなくて良い」程度でしたが、5000km毎の補充が必要になるので走行距離やオイルの交換距離が長い方は影響があるかもしれません。
まとめ
インプレッションの内容は如何でしたでしょうか?言葉だけでは伝えきれない内容もあるのですが、新型エンジンはパワーフィーリング・静粛性・燃費と確実に進化しています。
特に1型~4型を所有したことがあり静粛性に満足ができなかった方は、是非4型後期のディーゼル仕様を試乗してみてください。4型までのハイエースで騒音により所持をあきらめられていた方ももしかすると、「これぐらいの音なら我慢できるかも」となるかもしれません。
ではまたまた~。