皆さんこんにちは、らく~だです。
秋本格シーズンに入っており気温が下がりオープンタープの利用頻度も低くなるので、ネタとしては今さら感全開なのですが、100%コットンのタープを購入&利用したので、そのレビュー記事になります。
今回私が購入したのはSotolaboというメーカーのcotton KOKAGE Tarpという商品です。
このメーカー、ベテランキャンパーの方は皆さんご存知だと思うのですが、初心者の方は馴染みのないブランドかもしれません。また、コットンタープについて知らない方も読まれるかもしれませんので、そのあたりの特徴も含めレビューしていきたいと思います。
SotoLaboってどんなブランド?
アパレル業界の経営をしていたキャンプ好きの代表が、お客様のアウトドアチェアの生地を張り替えたことを発端に、現在ではキャンプ用品製造に転換されたという、今キャンプ業界で注目のガレージブランドです。
量販店で見かけるのは、ガス缶カバーや、ティッシュケース、小物入れ類等が多いので、タープ等の大物を扱っているイメージはあまり無いかもしれません。扱っている商品は主には布製品ですが、市販品をベースに記事を張り替えたファニチャや木製のオリジナル収納ケース等、色々なカテゴリの商品を製造・販売されています。
ズバリ、このブランドの特徴は良質の生地、職人のハンドメイドによる国内生産(つまり品質の高い縫製)、品のあるデザイン・仕上げというところです。小物ケースに利用されている帆布ひとつとっても、手に取ると素人目でも高品質さを感じる事ができます。
あとは、高品質な見た目からのイメージとは裏腹に、ブランドロゴがカワイイところでしょうか(笑)ストレートに見るとアンバランスと感じますが、よく吟味するとそこがまたこのブランドの魅力と感じます。
cotton KOKAGE Tarp
cotton KOKAGE Tarpは正式な製品名で、SotoLaboが誇る超高品質なコットン100%のタープ。SotoLaboが販売しているのはヘキサタープとレクタタープの2種類です。
こちらが大型ヘキサタープの「cotton KOKAGE Wing」。
こちらがレクタタープ(小)の「cotton KOKAGE Tarp」。今回筆者が購入したのはこちら。
そしてレクタタープはSotoLabo直販限定で超大型のものもあります。その名も「cotton KOKAGE tarp WIDE “BIG SHADOW”」。サイズ5.0m×4.5mという事で、タープの中でもかなり大型の部類です。
それではKokage Tarpを含む、SotoLaboのタープの魅力について確認してみましょう。
Sotolaboのタープの長所
ブランドの紹介で書いた通り、生地・縫製・ガイロープ・収納袋に至るまでハンドメイドで作成され、こだわり抜いた逸品です。それではこのSotolaboのタープの特長を解説してきますね。
コットンにしては軽量
生地の質感や後述の遮光性を踏まえ、他のコットンタープより軽量と感じます。
例えば、KOKAGE Tarpは4.0m×3.0mのサイズで約3kg。同じ100%コットンのタープでテンマクデザインのTakibi-Tarp Cotton SOLO Rectaだと2.9m×2.7m(面積3/4弱)で3.1kgとKOKAGE Tarpより重いことがわかります。ノルディスクのカーリ12に至っては4.0m×3.0mと同サイズにもかかわらず重量なんと7.5kgです。
生地の質感を製品の特長とした上で、軽量性という機能もきちんと押さえているところがなんとも素晴らしいですね。
遮光性が高い
これはこの製品というより、コットン生地の製品すべての特徴なのですが、生地が光をあまり通さないのでタープの影が濃いです。夏場は涼しいということ。先ほどの特徴でも述べましたが、生地の目が詰まっているせいなのか、同じコットンでも生地が軽いのに遮光性が高いです。
火に強い
これもコットン生地の特徴ですが、火に強いためタープ下での焚き火が可能です。100%コットンなのでポリエステルとの混合生地であるポリコットンよりも更に火に強く気をつかいません。
※とはいっても、燃えないわけではないのであまり火が近かったりすると危険ですのでご注意ください
コットンにしては撥水性が高い
どのような加工をされているのかはわかりませんが、コットンとは思えないぐらい水を弾きます。最初はコレ本当にコットン?!と思いました。
その代わりと言ってはなんですが、製品の耐久性を考えて、縫い目は自分で防水加工を施す必要があります。これはあとから細かく紹介しますね。あと、撥水はあくまで生地そのものの性質ではなくて加工ですので使い込むと失われていくと思います。素材はコットンですので夜露は染み込みますし、重くなります。
仕上げが素晴らしい
色々と御託を並べましたが、このタープの魅力はこれに尽きると思います。生地の質感、縫製、張り姿。どれをとっても品があり、設営した際には近づかなくても遠目でそんなオーラが漂います。
SotoLaboタープの短所
今度は短所ですが、ポリエステル生地のタープに比べ重い、水に弱い、値段が高いといった、ほぼコットンタープ全体の短所になります。
重い
これはコットン素材の特徴なのでKOKAGE Tarpに限ったことではありませんが、ポリエステル生地のタープと比較すると倍以上の重量はある、と言っておいてよいと思います。
タープポールも重量を踏まえて比較的丈夫なものを選択する必要があります。
水に弱い
これもコットン素材の特徴です。コットンは、水に濡れることにより生地水を吸収して収縮、目が詰まり水を通さなくなるのですが水分を吸うので生地が重くなります。ただでさえ元の重量が重い生地がさらに水を吸って重くなるので相当の重量になることが想像できると思います。
濡れた生地を乾燥させずに撤収せざるを得ない場合、相当な重労働を強いられると思っておいた方が良いでしょう。
価格が高い(目玉が飛び出るほど)
コットン素材がポリエステルよりコストがかかること、またその加工にも手間がかかることなどにより、値段が高いです。さらにコットンタープの中でもKOKAGE Tarpは破格に高額と言ってもよいと思います。
これが唯一この製品ならではの短所と言えると思います。ひたすら高額。手に取らないとなぜコットンにこの値段?という疑問は払拭されません。一番小さなcotton KOKAGE Tarpでも6万円オーバー。ひえー
でもね、手に取ると疑問消えちゃうんですよ。なるほどねと。
筆者がcotton KOKAGE Tarpを選んだ理由
目玉が飛び出るほど高額な(笑)タープをなぜ筆者が購入に至ったのか、それは購入条件として下記の様な内容のものを検討した結果経緯を説明します。購入時のポイントは主に下記になります。
- OD色
- 機能
- 安心してタープ下または近辺で焚き火ができる
- 長く使える製品
筆者は基本的に1点豪華主義です。同じ用途のものをいくつも持つというのは、費用や効率美上好きではありません。一つで済ませられるものはできるだけ一つで済ませる代わりに、できるだけ買い換えたいと思わなくても良いような、究極の逸品をというのがコンセプトになっています。その上で、要件を満たす製品として、最終的にcotton KOKAGE Tarpを選択することになった、ということになります。
それではそれぞれポイントの詳細を解説してきます。
OD色(オリーブドラブ)
これが元々のコットン購入検討の動機なのですが、今までサイトの色統一を意識せずにギア購入をしていた筆者ですが、少しはオシャレキャンパー色も出した方が良いと判断して、メインカラーとしてOD色を選択したことによります。
コテコテではありますが、メインカラーOD色、サブカラーをサンド色とアーミー系の配色で統一しようということに。今まで利用していたタープはボルドー色。緑と赤の配色はうるさくなり過ぎで、タープの買い替え(買い増し)をしようという事になったワケです。
サイズ
テントでも良く迷うポイントですが、小さすぎて雨除けや日除けとして機能しなかったり、大きすぎて設営・撤収が面倒になるなど、サイズ合わないと利便性が悪くなりタンスの肥やしになるか、買い替えの大きな要因になります。でもこれが、なかなかしっかりした軸が無いと決まりません。
筆者のキャンプスタイルは下記の様な感じです。
- メイン:ファミリー(4人)
- サブ:デュオ(息子と2人)
- たまに:ソロ(ソロでグループキャンプに参加)
- いつか:ソロ(バックパックでキャンプするようなスタイル)
今はまだしていない、バックパップでのキャンプについては、究極の携帯性が求められるため、さすがに1種類の道具では不可能なので無視することにします。
タープの設営方法としては下記のパターンがあります。
- オープンタープとして
- カーサイドタープとして(車の全長から短辺は3.0mが限界)
これらすべてでできるだけ普段使いできるような形状・サイズを考えました。
まず、カーサイドタープとして利用できることを考えると、形状はスクエアまたはレクタ、車のルーフレールの長さが最大長となり、サイズは縦横どちらかが3.0mまでという事になります。
スクエアで1辺3.0m(実際は2.8m)のタープは現在利用しているのですが、ファミリーで利用するには少し狭い感じでテーブル椅子を置くと他の荷物がタープ下に収まりません。
そこで、長辺ができるだけ大きいものを選択することになります。3.0m×[できるだけ長い]mといった感じですね。
Kokage Tarpは3.0mx4.0mなのでこの条件にかなり良い感じでマッチしたサイズでした。
安心してタープ下または近辺で焚き火ができる(機能)
タープとしての機能で代表的なものは日除け、雨除け、風除けでしょうか。これはどちらかというとマストな機能要件ですよね。筆者が機能として求めたのはタープ下や近辺で火が使えること。さらに言うと焚き火ができることです。
今のところ、焚き火を頻繁に行う予定はないのですが、最近焚き火にも興味が出てきたので、できるだけ万能に使えた方が「今後使えないシーンが減る」という事になります。つまりコットンもしくはポリコットンのタープという選択になります。
先ほども同じような事を言ったかもしれないですが、筆者は中途半端が嫌いなので「火には強いけどコットンほどは」というポリコットンよりは、質感も含めてコットン100%が良いな、という事になりました。
究極の逸品とは
これもあいまいな表現ですが筆者がが考える究極の逸品とは下記の様な内容でしょうか。
耐久性
耐久性が無い製品はすぐ壊れてしまうので長く使えません。
飽きないデザイン
衣類等でもそうですが、流行で形状や色を決めてしまうと流行が終わった途端に古臭く見える他、自分の「良い」と思っている意思も一過性なので飽きてしまい買い換えたいとなります。
所有欲を満たす品質
自分だけなのかもしれませんが、より品質の良い他の条件が同じものを見つけるとそちらに買い替えたくなります。結果、お金がかかります。
汎用性
汎用性が無いと利用機会が減ります。利用機会が減ると最終的にモノとしての立ち位置が中途半端になり買い替えの判断材料となります。
以上の様なポイントで製品を探した結果、cotton KOKAGE Tarpしか無い、という結論に至った次第です。ほかに選択肢が無いということは買い換える必要が無いという安心感も生まれますので躊躇無く購入ボタンを押してしまいました(笑)
それでは次項から実際開封・利用レビューに移りたいと思います。
開封レビュー
配送は化粧箱に段ボールカバーというスタイルでした。自分が中が良ければ問題無いのですが、化粧箱にバンド跡が付いていたので気になる人もいるかもというところです。これはメーカーではなく販売店の問題ですね。
内容物は幕本体、説明書、シームグリップ。シームグリップは生地の防水処理を行うものですが、詳しくはあとから説明します。
幕は専用の収納袋に収められています。色は少し薄めのOD色といったところ。
ガイラインも付属しており、幕にあらかじめ結び付けられています。
生地は見るからに密度が高く良質。幕にもSotoLaboのロゴが縫い付けてあります。
こちらは取り扱い説明書。なになに?シームグリップを施工することをおススメしますとな!?
一通り開封が終わったところで早速試し張りしてみるかと思いましたが、このタープ、縫い目の防水加工がされていない様なのです。どうも、防水加工部分が経年劣化や加水分解により痛むので、実際に利用する前に利用者で塗って欲しい、という配慮からとのこと。すごいコダワリですね、、、。
このタープの生地は100%コットンで、PUのコーティング等で防水処理はされていないので加水分解は起こりません。縫い目の部分はシームテープやシームグリップで防水処理をしないといけないのですがこの処理部分は加水分解を起こしてしまう、ということです。まぁ、面積が少なければ劣化したシームグリップの除去や再施工も楽ですよね。
シームグリップの施工
せっかくなので筆者がシームグリップの施工をした際の状況を紹介しておきます。
シームグリップはチューブに入っている透明の液体です。
液体と言っても、かなり粘度が高く揮発物が含まれているので、服等に付着すると取れなくなるので気を付けてください。
筆者も施工する中で手に付着して取るのに非常に苦労しました。医療用・燃料用等の純度の高いアルコール類が一番効果があるかと思いますが、それでも1週間ぐらい手にネバネバが残りました。もちろん、タープの施工不要な部分に付くと取れなくなるし、結構目立ちます。手は手袋を付けた方が良いと思います。
タープを広げる
本当はタープを設営して生地がピンと張った状態で施工するのが良いみたいです。施工自体が初めてなのもあり時間がかかることが予測できたこと、次回にタープが張れるのは友人とのキャンプだったのでそれに時間を取られるのは微妙だな、という事で自宅内で施工することに。
まずはタープを広げます。全開にする部屋の広さは無いので半分に折った状態でシワを伸ばしました。
次はマスキング。説明書でも「することをおススメします」と書いてあり、機能上はマスキングしなくても、丁寧に塗ってやれば問題なさそうでした。あんまり汚くなってもなという事で筆者はマスキングすることに。ただし、マスキングテープが無く、夜中で調達も難しそうだったのでビニールテープで代用してみました。
シームグリップ施工が必要な個所は説明書に記載があります。
できるだけ見た目が綺麗になるようにまっすぐテープを貼っていきます。
やはりビニールテープはダメですね、、、マスキングテープよりも硬質で、相手がサラっとした布なので貼ってもしばらくすると浮いてきて剥がれてしまいます。
カーブしているところは塗らない側をハサミで切れ目を入れて綺麗にカーブさせてやります。
ロゴ裏はこんな感じ。ロゴも縫い付けなので施工しないと水漏れするみたいですね。
テープが貼り終わったら実際にシームグリップを塗っていきます。チューブに付属の刷毛を付けてチューブを押しながら塗り付けていきます。かなり粘度が高いので結構力を入れて刷り込まないと綺麗に乗らない感じでした。
全体が塗り終わったらすぐにマスキングテープ(筆者はビニールテープ、、、)を剥がします。テープを付けたまま乾燥は絶対にさせないでください。テープと幕体がくっついて取れなくなると思います。
また、あまりたくさん塗り過ぎるとシームグリップ剤が足りなくなります。下記の写真はおそらく塗りすぎ、、、。縫い目の穴が綺麗に埋まれば良いのでベトベトに塗る必要は無いと思われます。筆者は危うく足らなくなるところでした、、、。
あとは乾燥のため最低8時間放置が必要の様で、私は二つ折りにして施工したので1日1面ずつ2日かけて施工しました。タープを張って施工したら1回で済むのでやはりそれがベストだと思います。
こちらが乾燥後の状態。光沢があって塗りたての状態と見た目はあまり変わらないです。
手触りはサラサラではなくてゴムの様な感じでしょうか。
以上でシームグリップ施工は完了です。施工自体は難しく無いという印象でしたがシームグリップ自体の取り扱いには注意が必要です。
次はいよいよタープの初張りです。
cotton KOKAGE Tarpを張ってみた
早速、友人とキャンプに行った際に初張りしてみました。
張ってる途中の写真撮り忘れた、、、、
結果はイメージしていた通り、色はアーミーなんですが、上品なオーラが漂っています。メインポールとサブポールが色違いなのはご容赦を、、、。ポールも一緒に新調したのですが在庫が2本しかなくサブポールは手持ちのものをそのまま利用しています。
ポールはメイン2m、サブ1.8mです。張りが下手なのでシワが残っていますが、慣れたらもっとキレイなラインが際立つと思います。
まとめ
レビュー内容は如何でしたでしょうか。
cotton KOKAGE Tarp、タープとしてはかなりお値段が張りますが、直接手に取ってみたら品質・デザインともに高いレベルの逸品でした。そしてなによりも、同じようなコンセプトの製品は存在しない、オリジナリティも兼ね備えているのでキャンプサイトで被ることも少なく所有欲も満たしてくれるのではないでしょうか。
玄人キャンパーの方たちに愛されているのも納得の、素晴らしいタープでした。
できる限りハードに利用して、ユーズド感が出てきたらどうなるのかも楽しみです。