皆さんこんにちは、らく~だです。

季節は本格的な梅雨シーズン、キャンプやブッシュクラフトもしばらくお預けといったところでしょうか。

今回はそんなジメジメ蒸し暑い中、少々季節外れのネタにはなるのですが、筆者が去年に購入したテントの紹介をしたいと思います。

このテント、めちゃくちゃ軽くて設営がが簡単で、薪ストーブをそのままインストールできて、、、ロマンがめっちゃ詰まったテントで筆者一押し!

それでは行ってみましょ~

Cimarronって?

タイトルにある通り、今回ご紹介するテントは「シマロン」という名のティピー型のテントです。製造しているのは「SeekOutside(シークアウトサイド)」というメーカー。

SeekOutside Cimarron シマロン 20
出典:SeekOutside

 

 

最近はこのテントが人気爆発した影響で知る人も多くなりましたが、どちらかというと少量生産のガレージメーカー的な印象が強く、少し前までは日本で知る人は少なかったのではないでしょうか。

そしてこのSeekOutsideのテントですが、ナショナル・ジオグラフィック社主催のアドベンチャー・オブ・ザ・イヤー(2014年度)を受賞した、有名な冒険家の夫婦(デイブとエイミーフリーマン)が愛用しているテントなんです。

SeekOutside Cimarron シマロン 24
出典:Amazon

正直、自分はアドベンチャー・オブ・ザ・イヤーもこの冒険家の方も全く知らなかったのですが、世界的に権威のある賞の様なので、その方たちが普段から冒険に利用しているということはそれなりの性能を有していること!?

自分もこのウンチクに刺激されながら、テントのスペックに引き込まれて購入に至った次第。

※この夫婦が良く使用しているのは本記事の「Cimarron(シマロン)」ではなく、もう少し大型の「Redcriff(レッドクリフ)」の様ですね、、、

 

 

で、この「シマロン」、見た目は普通のティピーテントなのですが何がそんなに良いのでしょうか、、、

Cimarronの特長

このテントの特長は冒頭で述べた通り、軽くて強くて設営が早く、手を加えずに薪ストーブがインストールできること。基本スペックは下記表にまとめてみました。

項目 スペック
型式 ティピー(ワンポール)
定員 4名
室内サイズ(最大) 幅:293㎝
高さ:183㎝
耐水圧 4000㎜(フロア無し)
付属品 テント本体
テントポール(カーボン製)
ペグ(ジュラルミンYペグ)
重量 テント本体:1.6㎏
テントポール・ペグ・収納袋:0.8㎏
その他装備 出入口メッシュ(出入口x2)
煙突ポートx1

それではテントの特長を少し掘り下げてみましょう。

重量

まずは重量ですが、テント本体にポール・ペグ、設営に必要なものすべてで2.4kgしかありません。4人用のテントでこの重量は暴力的とも言えますね。登山用のソロやデュオテントレベルの軽さです。

軽量の秘密ですが、まずはテントの生地。これは後述しますがシルナイロンという耐水性と引き裂き強度に優れた生地を使用しています。非常に強度のある生地なので、生地自体を薄くでき軽量にできます。ポールやペグを除いた生地のみだと、重量は1.6㎏しかありません。ブッシュクラフトでポールやペグを現地で作成すればこの重量のみで済むということになります。ポールについては、テント側のポールが当たる部分が補強されていて木の枝で代用することが想定されています。

SeekOutside Cimarron シマロン 25
出典:Amazon

そしてもう一つ軽量化に貢献しているのがテントの骨組みとなるポール。ティピーテントなのでワンポールなのですが、なんとカーボン製。手に持ってみると信じられないぐらい軽いです。

SeekOutside Cimarron シマロン 03

強度、耐久性

次に強さ。本体の記事はCODURA(コーデュラ)というブランドの高強度なナイロン生地に両面シリコンコーティングをしており、見た目はペラペラの薄い生地なのですが思いっきり引っ張っても破れない程の引き裂き強度がある他、シリコンコーティングなのでPUコーティングのように加水分解しにくく生地の防水性が長持ちします。

SeekOutside Cimarron シマロン 23
出典:Amazon
SeekOutside Cimarron シマロン 18
出典:SeekOutside

一般的なテントはほぼPUコーティングで防水処理がしてあり、これは保管時に空気中の水分によってコーティングの成分が分解してしまい防水性が損なわれていきます。(実際には表面がネバネバになったりポロポロ剥がれたりします)保管前にきっちり乾燥させたり、保管場所の除湿をするなどにより加水分解を遅らせることはできますが、いつかは分解が進み雨を防げなくなる運命です。シリコンコーティングはこの加水分解も含む様々な対候性に優れており耐久性を飛躍的に高めていると思っていただければと思います。

数万円出して購入したテントがいつかは使えなくなってしまうと思うとちょっと萎えますよね。これが人事ではなく、乾燥不良のまま保管したりすると1シーズンで加水分解してしまうなんてことも考えられるので本当に注意しましょう。

設営・収納が簡単

これはワンポールテントにある程度共通して言えることだと思いますが、このシマロンは設営も収納も究極です。

立ち上げはテントを広げて4点ペグ留めし、テントの中からポールを1本立てるだけ。この時点で自立し、少々の風などではへこたれません。これで設営の80%は完了します。

あとは残り4点を追加でペグ留めして完了。慣れれば5分かかりません。

SeekOutside Cimarron 17

SeekOutside Cimarron シマロン 13
感覚的にはテントを広げて4隅をペグ留めした時点で半分以上設営が完了した感じ。

収納は設営の逆の手順ですが、設営時と違いテンションに気を遣ったりということもないのでさらに早く終ります。そして生地を収納袋に入れる際ですが、事前に畳む必要がありません。生地を適当に掴んでぐちゃぐちゃと袋に無理やり詰め込むだけ。ダウンシュラフの正しい収納方法をイメージしてもらえば良いです。

おそらくこれも、生地のシルナイロンスベスベで生地同士が滑りやすく、折り癖が付かないという特性から、このような収納方法が可能になっていると思われます。実際にやってみると、設営してすぐは生地にしわが残っているのですが、風に煽られたりしているうちにすぐにしわは無くなります。

雨の日でも適当に袋に押し込むだけなので収納に苦労することは皆無です。

薪ストーブがそのまま使える

このテントの最大の個性はここかもしれません。なんと、標準で煙突ポートが付いています。

SeekOutside Cimarron シマロン 07
筆者が実際に薪ストーブを利用したところ

※実際には本国の通販サイトではオプション扱いなのですが国内に正規輸入されているものは煙突ポート付きのもののみ取り扱っているようです

煙突ポート部分は生地が耐熱性のあるものになっており、特別な遮熱処理をせずに煙突をインストールできます。(そのまま煙突をポートに刺せば良い)

比較的小型、しかもシルナイロン製のテントに煙突のポートを設けているものは他に類を見ないです。煙突ポート部はしっかり作られていて、風で歪んで通常の生地が煙突に触れる、なんてことも無さそうですね。

筆者はテンマクデザインのウッドストーブSを利用しましたが、Tシャツでも熱いぐらいに温まり邪魔にもならず、このテントにピッタリでした。コンパクトなテントなのであまり大きな薪ストーブは要らないですね。

SeekOutside Cimarron シマロン 08
冬に息子と野営しましたが、テント内は薪ストーブのおかげてトレーナー1枚でも汗をかくぐらいに、、、

 

ちなみに、テンマクデザインのウッドストーブは薪ストーブのシーズンにしか販売しないため現在は流通していないようです。収納バッグや専用ケトルがセットになったスペシャルパッケージであれば流通はしているようですがプレミアム価格になっています、、、。

開封レビュー

それでは実際に筆者が購入したCimarronのレビューを画像メインで行っていきます。

SeekOutside Cimarron 01
内容物。テント本体にポール、ペグ(収納袋入り)にギャランティ。

 

SeekOutside Cimarron シマロン 03
ポールはカーボン製で手にとってその軽さにビックリ。タープポールとかもここまで軽かったら、、、
SeekOutside Cimarron シマロン 04
ポールは4本継ぎ。継ぎ用の金具の構造がシンプルなのですが、チョボを押し込みすぎると金具が抜けてしまうので少々扱いに注意が必要。
SeekOutside Cimarron シマロン 05
ペグはジュラルミン製のしっかりしたYペグが10本付属しています。チタン製のものを除いてはこの形のものが重量・強度・サイズのバランスが良いですね。付属品としては文句なしです。
SeekOutside Cimarron シマロン 06
テント本体の収納袋をネイチャーハイクの2人用テント、CloudUp2の収納袋と並べてみた。 ネイチャーハイクの袋はポール込みだけど、それを含めてもシマロンも負けずにコンパクト。

しばらく利用してみて

SeekOutside Cimarron シマロン 08
冬に息子と野営しましたが、テント内は薪ストーブのおかげてトレーナー1枚でも汗をかくぐらいに、、、

購入後、この記事を書くまで半年程、回数にして10回ぐらいは利用した感想ですが、正直言って、設営・収納の使い勝手が良過ぎて他のテントを使う気が無くなります。

設営時は4隅のペグ留めさえしてしまえば簡単に自立しますし4隅を止めるだけなら強風時も全く手間取りません。収納時は本体を畳まなくて良いのが非常に大きいですね。雨に降られたり、乾燥撤収ができなかったときも袋に適当に詰め込んで帰宅後にバサッと適当に干すだけ。干すのも幕1枚なので余裕。

SeekOutside Cimarron シマロン 12
筆者は帰ってきたらガレージに設置した物干し竿に掛けて乾燥させます。

注意点としては、シングルウォールテントでインナーが無くフロアが地べたなので、汚れなどが気になる人には向いていないのと、入口はメッシュになっているものの、スカートの隙間等からの虫の侵入は完全には防げない点。夏場に利用するには別のインナーを利用するなど工夫が必要です。

あと、生地がナイロンで通気・透湿性が無いので夏は暑く、冬は結露が激しいです。

これも暑い時期はテントの前後をオープンにすれば風通りが良いので凌げるし、冬の結露に関しては寝ている時に幕がシュラフに触れないようにさえ気を付ければ、夜露が生地を伝ってスカートの方に落ちるだけで降ってくることはないので、前後オープンで乾燥させるか邪魔くさければそのまま収納して自宅で乾燥させるだけです。

広さに関して

SeekOutside Cimarron シマロン 21
出典:SeekOutside
SeekOutside Cimarron シマロン 19
出典:SeekOutside

もうひとつ、気を付けておいた方が良いと思った点ですが、このテントのカタログ上の定員は4名ですが、正直言って大人4名で利用だと窮屈だと思います。荷物をすべて外に出す前提でなんとか収まる感じ。

荷物や簡単なテーブルを展開する前提でゆったり使おうとすると2人での利用がベスト、薪ストーブが大型の場合は安全性も考えると2名でも厳しいケースも。

ファミリーでの利用の場合は1サイズ上の製品「レッドクリフ」を購入すれば、、、というものの、オンシーズンはインナーテントの問題があるのでこの製品はファミリーキャンプ向けでは無い気がします。レッドクリフはソロや2名でさらにゆったり利用したい場合や、オートバイでのキャンプで車両をテント内に収めたい場合にピッタリだと思いますね。

 

 

インナーテントについて

先ほど留意点として述べた夏場での利用ですが、純正オプションでインナーテントが販売されています。

 

 

これを利用すれば、前室付きの一般的な2名用テントになりますが、これだけでかなりのお値段が、、、。ちなみにこのインナーテントはシマロンとレッドクリフ兼用。レッドクリフもインナーテントは2名定員、、、。

もちろんフィッティングは最高なので予算に余裕のある方は純正品をおススメしますが筆者は下記のものを利用しています。

 

 

多少、色見等のアンバランス感はあるものの、実用性は純正品と遜色が無いのでおススメです。インナーテントの重量が0.55㎏なのでテント本体と合わせても3㎏以内に収まります。純正と同じく2名定員。

まとめ

記事の内容は如何でしたでしょうか?

シマロンですが、ご紹介した通りかなり尖ったスペックの製品となっており、UL志向のソロキャンパーや夫婦キャンパー、バックパックでのブッシュクラフトに特におススメします。薪ストを除いてこのULなスペックだけでも超魅力的。

筆者はファミリーキャンプを除いてはタープ箔かコイツの出番しか無いぐらい、ヘビーユースになっています。

 

 

 

 

それではまたまた~