皆さんこんにちは、らく~だです。

梅雨もあと数日で終わりそうですが、雨空の間に太陽が出ると、すでにチリチリと肌を焦がすような暑さになっています。

夏といえば海や川遊び、そして釣りも釣れる魚種が増えて漁港も賑やかになります。そして、夏の釣りで憂鬱なのがライフジャケット。カンカン照りの状況でライフジャケットを着るとそれはまるでサウナスーツ状態、、、。

今回は夏の釣りを快適にする道具「Restube」の紹介です。

ライフジャケットと釣り人の悩み

釣りも昔はライフジャケットを着用する人なんとたまーにしか見かけなかったものですが安全に対する意識が高まって、今では「着てないと釣りをしちゃダメ」みたいな雰囲気までありますね。

水辺に居る以上、絶対に落水しないなんてことはあり得ないですしいくら泳ぐのが得意な人でも海での突然の落水は溺れてしまう可能性が高いです。特に釣りにおいては堤防が高くて水から上がる場所が無かったり、海流に流されてしまったり、そもそも服を着ている状況ではまともに泳げないので普通に泳げるからなんてのは全くあてになりません。

結論を言うと落水して他の方に迷惑をかけないためにも、家族を悲しませないためにも救命具(ライフジャケットを含む)を装着するのが望ましいです。

釣りに最も普及している救命具はライフジャケットですが、このライフジャケットには命を守ってくれるにもかかわらず装着を躊躇してしまう欠点があります。それは「邪魔」になることと「暑い」こと。

今回は、そんな釣り人の悩みを解消してくれるかもしれない製品「Restube」をらく~だが購入したので、開封レビューを交えてご紹介いたします。すべての人におススメできる製品ではありませんが、ちゃんと製品の性質を理解した上で使用できる人であれば、絶対おススメの製品です。

ライフジャケットの種類とメリット・デメリット

ライフジャケットとひと口で言っても様々なタイプのものが販売されています。ここでは代表的なライフジャケットの種類とメリット・デメリットを述べていきます。

固形式

釣り場でもっとも良く見る(もしくは目立つ)のはこのタイプでしょうか?固形の浮力体を格納したベストのような形状のものです。

ゲームベスト - Pazdesign スーパーライトベスト①
筆者の所有している固形式のゲームベスト。

長所はオールマイティであること。なぜオールマイティかというと、固形の浮力体の信頼性が高いところからきています。後述する自動膨張式は落水時にビニールの浮き輪の様な浮力体を空気で膨張させて使用するものですが風船のようなものなので磯などの岩場に擦れると穴が開いて役に立ちません。

その点、固定式の浮力体は材料そのものが空気を含んでいるので擦れたぐらいで浮かなくなるような事はありません。

逆に言うと、磯釣りの救命具は固形式のライフジャケットじゃないといけないことなります。

あと、この種類のライフジャケットは収納を設けてある製品が多いこともメリットです。釣りといえば、たくさんの道具を持っていきますが、それらの道具を効率的に収納できるようにポケットや収納スペースをたくさん工夫して設けてあるゲームベストと言われる製品があります。うまく必要な道具をまとめると、ゲームベストだけで釣りが成立するほどです。

ゲームベスト - Pazdesign スーパーライトベスト②
収納力は抜群だが、モノを入れすぎると厚みがまし邪魔になるし、比較的通気性の良いものを選んだもののやはり夏はかなり暑い。このようにフィッシュグリップやプライヤ等、必要な道具をすべてベストに装着できるので、タックルケースが不要になる。

デメリットはどうしても浮力体の体積をコンパクトに収めないといけなくなるので、ベストのような体を包みこむような形状になることです。

それにより、動きにくく夏は非常に暑いです。これは夏にライフジャケットを着て釣りをしたことがある方ならご存じかもしれませんが、熱中症のリスクが高まると言っても過言では無い程度。各社、肌に当たる部分を通気性の良い素材にしたり、通風孔を設けたりしてできるだけ熱くならないような工夫をされていますが、根本的な構造上避けられないデメリットだと思います。

膨張式

これは先述した通り、普段はしぼんだ風船のようにコンパクトになっていて、落水した時に紐を引いたり、救命具が落水を検知して自動で空気を充填して膨らむタイプのものです。

膨張式ライフジャケット ベルトタイプ 膨張式ライフジャケット

メリットは必要な時だけ膨らむ構造のため、普段はコンパクトに収まるということ。ベスト型のものや腰巻型、ベルトに装着できるポーチ型のものがあります。

こちらデメリットは信頼性と価格です。浮き輪の様な構造なので、穴が開いていたりすると機能しません。岩場などでは擦れて一撃で破損してしまう可能性も高いので利用できないですし、いざという時に本当に膨らんでくれるのか、という点においても固定式のような信頼性はありません。あと、釣り用として売られているものは概ね2万円程度の製品が多く、固形式と比較すると高額な出費になります。

あと、膨張式で海外製で安価な製品がAmazonで売られていますが絶対に買わない方が良いです。Youtubeなどで一部の方が公開していますが、実際に利用すると膨張しなかったり膨張はしたもののそのまま破裂するような事例が発生しているようです。命を守るために装着するものなのに、これでは本末転倒。まわりから指摘を受けるから装着するんだ、という方はそれでも良いのかもしれませんが、、、

あと、この手の製品はコンパクトさを第一に考えてあるので、収納性はありません。

第三の選択肢、Restube

さて、ここまで各種ライフジャケットの紹介をしてきましたがいよいよ本題です。今回ご紹介するものはRestubeという製品。

Restube レスチューブ

カテゴリとしては膨張式(ポーチ型)のものとなりますが、こちらはライフジャケットでは無く緊急浮力体と言われるものです。落水時に紐を引っ張ることによって棒状の浮き輪が膨らみ、それにつかまって浮力を得るというもの。

まずは最大の特長がそのコンパクトさと軽さ。筆者の購入したRestube Activeは大きさはスマホぐらいのサイズで重さは200gを切ります。そしてもう一つの特長が既存のベルトに取り付けられるということ。

Restube Active フィッシングベルトに装着⑦
PazdesignのフィッシングサポートベルトにRestubeを取り付けたところ。

そう、手持ちのフィッシングベルトに少しのスペースがあればそこに装着できるんです。

フィッシングベルトはゲームベストと同様にフィッシュグリップやプライヤなどさまざまな釣り具を収納するようにできるのですが、それにRestubeを取り付けることによって救命具の機能を追加できるんです。釣り用のライフジャケットはそのものに固定式のベルトが付いていることが多く、他の既製品と組み合わせられずライフジャケットとしての機能しかないのですがRestubeを利用すると非常に拡張性が高くなります。

あと、これはケースバイケースなのですが、自動膨張式ではない事もメリットです。自動膨張式は水(水没)を感知して自動で膨らむのですが、これが結構誤動作が多いんです。ウェーディングなど海に浸かる前提の釣りには使えないほか、大雨にさらされると膨らんでしまうケースも多い様です。その点、Restubeは手動でしか開かないのでそのような誤動作の心配はありません。

また、価格も釣り専用の自動膨張式ジェットと比較すると3割~5割程度安価に手に入るかと思います。あとこの手の膨張式の製品は一度利用するとカートリッジを交換する必要がありますが、Restubeのカートリッジは購入しやすく安価です。

 

ライフジャケットではないので注意が必要

Restubeのメリットのみを聞くと夢のような製品と思われる方もおられるかもしれませんが、この製品はライフジャケット(救命胴衣)ではないことに注意が必要です。

具体的のどのような部分が異なるのか説明します。

自動で膨張しない

これはさきほどメリットとして述べた内容でもありますが、この製品は自動で膨張しません。落水時に自分で作動させられれば問題ありませんが、例えば突然気を失って落水した場合や落水時の衝撃で気を失ったり、手を負傷して作動用の紐を引けない場合はどうなるでしょうか?そうです。気を失っていればそのまま溺れてしまいますし、手を負傷して動作させられない場合は機能せず、近くに見ている人が居たなどのケースでなければやがては疲労して溺れてしまうでしょう。

浮力体につかまる必要がある

これも上述の内容良く似ている内容でもありますが、Restubeは使用した際、棒状の浮力体が本体ケースから出てきます。助かろうと思うとこの浮力体を両脇の下に通すなどのアクションが必要になります。

落水前や落水時に気を失ったケースでは前述の膨張させることもできないのでつかまるつかまらない以前の問題ですが、浮力体につかまらないといけないということは低体温状況や体力が尽きたら役に立たなくなるということです。固形式のライフジャケットは利用者が何もしなくても頭部が水面から出るようになっていますし、膨張式の腰巻タイプは膨らんだ際に頭を通せる形になっていて、頭を通すとある程度保持力があり少しのことでは首から抜けないため動く体力が尽きてしまっても溺れることはありません。

固形式のライフジャケット程の信頼性は無い

これはRestubeに限らず、膨張式のものすべてに言えることなのですが、浮力体に空気を充填して利用するというその構造上、何もしない状態で浮力を得られる固形式程信頼性が高くありません。利用中に外力によって破れるかもしれませんし、もしかすると不具合で膨張しないかもしれません。特に、風や波に侵食された磯の岩はヤスリにように鋭くザラザラになっていることも多く、そのような場所に体重がかかった状態で擦れると簡単に空気が漏れて使えなくなってしまうでしょう。

ある程度泳げることが前提の製品

これまでのデメリットから、Restubeは救命胴衣のように落水時の広いケースをカバーしている製品では無く、泳げる人、落水時に利用者にダメージが無いことを前提にした商品です。

これらの内容を踏まえた上で、漁港や堤防などでの釣りで万一落水した際の手段としてRestubeを利用するのであればライフジャケット程では無いものの劇的に死亡リスクを減らせると思われます。

あと、この製品の利用は水温が高くなる初夏から秋にかけてにしておいた方が良いかもしれません。何故ならば水温が20度を下回る様な状況の海に落水すると短時間で低体温症になり自分の意思で動けなくなるからです。浮力体につかまらなければならないRestubeではこのようなケースには対応できません。まぁ、晩秋~冬~春の季節であれば暑いという固形式のライフジャケットのデメリットは無くなるというか、むしろ保温性を期待できるので暑い時期のみの利用が理に適っているような気がしますね。

筆者の購入したRestube Extremeの説明書にもハッキリと救命胴衣ではないことと、死亡時に責任は負わない旨が記載されています。あと、サクラマークの付いた製品ではないため船舶では利用できないことも留意が必要です。

Restubeシリーズの各モデルで何が違うのか

Restubeはドイツの製品で、Beach(旧Basic)、Classic2、Active(旧Swim)、Extreme(旧Sports)いくつかのラインナップがありますが、日本ではBeachとExtremeがまだ新製品に入れ替わっておらず、また各モデルで何が違うのかも非常にわかりにくいです。

筆者なりに調べた内容をまとめてみましたのでご参考にされてみてください。

新旧モデルの違い

新旧モデルのおおまかな違いは重量・サイズ・強度・デザインです。例えばActiveは旧Swimと比較すると製品の強度はそのままにかなりの軽量化が図られています。Extremeは旧Sportsと比較し軽量化された上でケースおよび浮力体の強度が強化されているようです。

モデル
(旧モデル)
Beach
(Basic)
Classic2
Active
(Swim)
Extreme
(Sports)
実売価格(税込み) 10,450円 12100円 13,750円 14,850円
用途 ファミリー オールラウンド オールラウンド&アスレチック 過酷な条件での使用
おすすめのアクティビティ 家族と子供
シュノーケリングと休暇
スタンドアップパドル(夏)
アクティブスイム
オープンウォーター
スタンドアップパドル
トライアスロン
スイムラン
アイススイミング
ファミリー&キッズ
シュノーケリング&バケーション
ボディボード
オンボード
カヌー&カヤック
フィッシング
ローイング
カイト&ウィンド
サーフィンサーフィン
スタンドアップパドル(川と波)
重量 160g
(280g)
250g
(280g)
195g
(250g)
255g
(340g)
対応カートリッジ 10.8g
(16g)
16g 16g 16g
浮力 50N
(75N)
75N 75N 75N
使用(膨張)推奨回数 50 100 200
ベルト 付属/交換可能
ベルト水平取り付け
ベルト垂直取り付け
緊急用ホイッスル
キー収納スペース
バッグ横ずれ防止
バッグの頑丈な生地
(×)
浮力体の頑丈な生地
(×)
ハーネス装着用ベルトスロット(最大65㎜)
浮力体収納方式 ベルクロ ベルクロ ベルクロ スプリントクロージング

Beach(旧Basic)

Restube Beach

主にビーチで泳いだり、シュノーケリングをしたりと比較的ライトな利用を想定した一番安価なモデル。上位モデルのように縦横どちらでも取り付けができなかったり、ホイッスルが付いていないなどかなり機能を限定したモデルになっています。ホイッスルも付いていないので、あまり釣り向けとは言えないかもしれません。なお、差別化のためか軽量化のためか、このBeachのみがガスカートリッジが容量の少ない10.9gの専用品になっています。(旧モデルのBasicは16gのカートリッジ) 最近旧モデルのBasicからモデルチェンジしたため、BeachとBasicそれぞれ在庫がある店もある様です。

Classic2

Restube Classic

こちらは、本国ではラインナップにありませんが、日本ではカラーラインナップも多く国内での流通が一番ありそうな製品です。縦横どちらでも取り付けが可能、ホイッスル付きでオールラウンドな製品とあるので後述のActiveがオールラウンドで軽量化を重視した製品なら、こちらはよりベーシックなオールラウンダーといったところでしょうか。現在、公式サイトでは売り切れになっており、もしかすると廃番になるのかもしれません。

Active(旧Swim)

Restube Active

筆者が購入した製品でClassicと並び利用用途が広い製品でさらに小型化・軽量化が図られている様です。ActiveもSwimも国内正規品の流通がありますが、2021年7月現在日本の公式サイトではまだActiveはまだラインナップに無く、最近正規品の輸入販売が始められたものと思われます。重量はSwim(250g)と比較しActive(195g)と55gも軽量化されています。本国サイトでは用途としてはっきり「Fishing」と記載されています。

Extreme(旧Sports)

Restube Extreme

Activeをベースにさらにハードな使用に備えた製品。Extremeではケースや浮力体に利用される生地が強化されたものになっており(旧Sportsは強化の記載なし)、65㎜幅のハーネスに取り付けられるようにマウント部が広くなっていたりします。さらに、ウィンドサーフィンやカイトなどハードなスポーツで利用した際に糸せず浮力体がケースから飛び出さない様な構造になっています。強度的な部分で言えばこの製品が一番信頼性が高そうですが、2021年7月現在はExtremeの国内流通は無く旧モデルのSportsのみになっています。

Restube Activeの開封レビュー

筆者が実際にActiveを購入したので、開封レビューを記していきます。

Restube Active パッケージ
外箱。本体同様コンパクトなサイズ。
Restube Active 本体と付属品
パッケージの内容はこんな感じ。本体に説明書、ベルトの横ずれ防止器具にオリジナルステッカー、そして予備カートリッジ一つ。
Restube Active マニュアル①
説明書は日本語できちんと印刷されているものです。本国のサイトよりも国内の方が製品のモデルチェンジが遅れるのはこのあたりの作成や法規制への適合などが原因でしょうか
Restube Active マニュアル③
マニュアルにはしっかり免責事項が記載されています。
restube Active 本体
本体には付属のベルトがあらかじめ取り付けられています。
Restube Active 大きさ・サイズ・寸法
手の平に収まりそうなほどコンパクトなサイズ。厚みはありますが面積と重さはiPhone Xとほぼ同じ。
Restube Active 付属ベルト①
ベルトは柔らかいものではなくナイロン製のしっかりしたものなので肌に直接装着すると動いているうちに痛くなるかもしれません。水泳であれば水着の上にかけると良いかもしませんね。
Restube Active 付属ベルト③
ベルトは本体背面に通されており、ベルトが通っている面の裏地にベルクロが仕込んであってズレないように工夫されています。
Restube Active 構造
本体内部には綺麗に折り畳んだ浮力体とカートリッジ、そして膨張の起動装置が収納されてます。本体のフタもベルクロで膨張し始めるとその圧力でベルクロが剥がれて浮力体が飛び出す構造の様です。
Restube Active ホイッスル
浮力体を膨張させて利用する際はこのホイッスル付きの紐を手で引っ張ります。紐は浮力体の端に固定されているので、浮力体にホイッスルが紐でつながるっている感じです。これは非常に合理的。浮力体につかまったままで笛を吹くことができるし、浮力体についているので無くすこともありません。
Restube Active 付属ベルト④
激しい運動などでベルクロだけでは本体が動いたり横ズレする場合はベルトに設けられたポケットにこの板を差し込むことによりより強力に固定されるようになっています。
Restube Active フィッシングベルトに装着①
自分はフィッシングベルトに取り付けたいため付属のベルトを本体から外して、MOLLEのクリップを使用してフィッシングベルトに固定しました。
Restube Active フィッシングベルトに装着③
ベルトを外すにはまずベルトに付いているバックル類を外さないと本体からベルトが抜けません。
Restube Active フィッシングベルトに装着④
本体側にMOLLEのクリックを通して、、、
Restube Active フィッシングベルトに装着⑤
フィッシングベルトのベルト部にもクリップを通します。
Restube Active フィッシングベルトに装着⑥
そしてクリップを止めて完成。
Restube Active フィッシングベルトに装着⑦
ナイロンではなくプラスチック製のクリップを使用することによりかなり強固に固定できました。なお、浮力体が水中のものに引っかかったりして逆に溺れるといったことも想定できますが、クリップは簡単には取れないので、その場合はフィッシングベルトごと外すことになります。命との引き換えですのでこれはしょうがないですよね。

まとめ

記事の内容は如何だったでしょうか?

より高い安全性を考える場合、固形式や釣り用の自動膨張式ライフジャケットを選ぶのが確実なのは異論ありませんが、漁港で釣りをしていても、ライフジャケットの装着率は釣りをしている方全員の半分以下なのではないかというのが実際の印象です。

おそらく、その装着していない方の中には心の中では着用した方が良い思っていても着用時に動きが制限されたり暑いなどの煩わしさやコストの面から躊躇している方も結構おられるのではないかと思います。

その点、Restubeは圧倒的な小ささと軽さ、安価とは言えないまでも釣り専用の膨張式のものと比較するとコストが抑えられることから、このような製品が世の中に流通することにより、水難による死亡事故が少しでも減るのでは無いでしょうか。

 

それではまたまた~