皆さんこんにちは、らく~だです。
今回は少しアウトドアネタから外れる気がしますが、電池の話です。
文章が主体でかなり長文の記事となっていますがご了承ください、、、
スマートフォンを始め、アウトドアに使うLEDランタン、モバイルバッテリと身近な家電製品で当たり前となったニッケル水素電池(エネループなど)やリチウムイオン電池。
小さなスペースで大量の電力を蓄えられる、、、電気密度が高くサイズ当たりのパワーが大きく、長時間保管しておいても放電しないなど、その特性から現代の携帯型機器には無くてはならない存在になっていますが、それゆえにすごく危険なもの、ということはご存じでしょうか?
それは簡単に例えるなら、これらの電池を携帯しているということは、カセットコンロのガスボンベを携帯しているようなもの、、、というところでしょうか。
当たり前の様に電気製品に使われていたり、量販店に行けば電池売り場に並んでいるので、そうは思いにくいのですがこれらの電池はひとつ扱いを間違えると爆発したり、大きな炎を上げて燃え上がったり可能性があるのです。
カセットコンロのガスボンベは一般的に「危険物」という認識があるので、無造作に危険な場所に置かないようにしたり、自然と扱いに注意する意識が働くのですが、電池の場合はほとんどの方がそうではないでしょう。
そして、今回取り扱うネタが「品質の問題」です。
そう、下手なものを購入すると火災などの事故に繋がるのです、、、。
筆者も元々は意識も何もしていませんでした。そして、バッテリではないのですが中国製のUSBチャージャーとケーブルでiPadを充電した際に実際に充電ケーブルの根本から煙を上げながら炎上する事態が発生しました。
あとは、これも中国製だと思われる32000mahの大型のモバイルバッテリを購入したのですが、利用頻度が少ないにも関わらず短期間でモバイルバッテリを覆っているプラスチックの筺体が割れるぐらいパンパンに膨れ上がり流石にこれは危ないかもと処分したことがあり、それからはバッテリの保管そのものに不安を感じるようになったのです。
実際にこれらのバッテリによる事故件数は年間500件を超え、その7割近くが火災と伴っているという衝撃のデータがあります。
製品評価技術基盤機構 – 5年で2倍以上に!リチウムイオンバッテリー搭載製品の事故
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2018fy/prs190124.html
しかし、それでも自分はリチウムイオンバッテリやバッテリを内蔵している製品を所有し利用し続けています。これらのバッテリはすでに生活の一部となっていて、そう簡単に排除することはできないのです。
今回は、生活必需品となったニッケル水素電池やリチウムイオンバッテリ、またはそれを搭載した製品を購入する際に気を付けること、保管する際の注意点などをまとめていきます。
技術的な小難しい話は置いておいて、実際にどうすれば良いのかにポイントを置いて書いていきたいと思います
それではいってみましょ~
海外製品に気を付けよ
ここで挙げる海外製品の「海外」とはおそらく主に中国を指していることにはなると思いますが、昨今のバッテリを原因とする事故の一番の要因は設計・製造をする際の品質です。
もちろん、日本製だからと言って事故が起こらないわけではなく、例えば電気自動車のバッテリが通常利用で発火したなどの事故事例もありますので100%大丈夫というものは存在しないのですが、事故の発生率はバッテリの品質によって天と地ほど差があると思っても差し支えありません。
中国製品も一昔前とは違い平均的な品質は劇的に向上しており、かの有名なAppleのiPhoneも一部中国で製造していることは有名です。同国の経済成長に合わせて人件費も劇的に上昇しましたが、それでもまだ先進国と比較すると人件費は安く、また物流コストも抑えられることから強力な競争力を秘めていると言っていいと思います。これは、安くて品質の高いものが作れるということです。
ただし、この事情にも補足内容があります。全体的には品質は上昇しましたが製造業者による品質差が激しいのです。さらに、悪意を持って品質を偽るような製造業者や販売業者がたくさん存在し、当たり前のように仕様を偽って販売するようなことが横行しているのです。
例えばバッテリ。これは筆者の感覚ですが製品の表示通りの容量を持っているものは販売されている中の2~3割ぐらいで、それ以外は実際には表記容量以下なのではないかと思われます。ひどいものでは表記の何分の1といった容量しかなくまともに使い物にならないとかいうケースも。
今回のテーマのニッケル水素やリチウムイオンのバッテリは衝撃や圧力、外傷に弱い特性があるのですが、十分に保護がされていない製品も多く見受けられます。
日本の製品であれば、そんなことをすると消費者相談センターに連絡が入り、企業への調査を経て政府から是正命令が下ったり、それらがニュースになって企業の信用が落ちそれこそ倒産してしまうような事態になると思いますが、海外のそれらの国では当たり前のことで、逆にどのようにそれを見抜いて品質の高い製品を手に入れるか、という動きが通常で、それこそ文化なのかな、と筆者は感じました。
ちなみに、昨今、庶民層(自分を含む)がこういうものを購入するにあたり利用する大きな販路は大型家電量販店かAmazonや楽天、Yahooショッピングなどの大手ECサイトが大半だと思いますが、そのどれらでもこの海外製品の品質の問題は関わってきます。
どこで購入しようが、消費者側も品質やリスクについて認識しないといけないということだと思います。
品質の判断方法
それでは実際にどうやって品質の良し悪しを判断するのか。特にECサイトで購入する際は実際の品物を見れるわけでは無いし、例えばバッテリの外観をみたところでシロウトに何か解るわけでもありません。
ここでは実際に電池やモバイルバッテリを購入する際に確認するべきポイントを書いていきます。
その1.口コミ
これは最近のネットの買い物では当たり前になっていること。
- 知見が無いジャンルでは口コミの無い商品は購入を避ける
- ポジティブな評価だけではなく、ネガティブな評価の詳細を参照し品質に関するものでは無いか確認する
1.はある程度自分で当たり(これなら大丈夫だろう)が付けられないものは、口コミなしで買わないということです。リスク前提でも購入する魅力(面白い商品だったり)があるのであればその限りではありません。
2.はAmazonなどで一時横行したサクラ評価(不当な高評価を販売関係者が付ける)対策と、品質面で懸念材料となるような評価が付いていないか確認するためです。バッテリであれば、実際に計測機器を使って容量を確認したりした方が評価をされていたりするので非常に参考になります。
その2.PSE認証マーク
2020年にモバイルバッテリーが電気用品安全法(PSE法)の全面規制対象となりました。
これは、モバイルバッテリ需要とそれに伴う火災事故が増加している状況に対し、危険な(品質の悪い)製品の販売を防ぐ意図のもので、ガイドラインに沿ったテストを実施して製品にマーク表記を行うもの。
ただし、ガイドラインのようなものを設けられているものの、テスト自体はメーカーに委ねられていて、公的な機関が確認を行うものでは無く、実際はテストをせず表記を行うといった、悪質なメーカーを完全に防げるようなものではないと言われています。
また、実際にAmazonでは「PSE認証」とうたっておきながら商品が到着してみるとPSEマークが無かったものや、PSEマークが付いているものの、表記スペックと実スペックの差などから本当のことなのか疑わしいケースなども出てきているようです。
とは言ってもこの制度は国際的なものではなく日本国内独自のものの様ですし、品質の確認を義務付けているという性質から、一定の効果はあると考えて良いがします。
とういことで、バッテリ製品を購入する際はPSEマークが付いているか、必ず確認すべきだと思います。そもそも、PSEマークの表記を義務付けているのだから、マークの無い製品を販売していること自体、法違反の気もますが、少なくともAmazonでは無法地帯の様で、マーク無しの製品が当然の様に売られている気がします。
※もしかすると、規制以前に販売された製品なのかもしれませんが、、、
その3.国内メーカー品や販売会社のオリジナル品
今も昔も国内メーカーの製造したものが間違い無いことは変わりありません。これは日本が技術的にも、文化的にも非常に品質にうるさいお国柄だからだと筆者は思います。ただし、いくら国内メーカーのロゴが付いているものでも製造が国内メーカーかどうかはわかりません。中国のメーカーにOEM生産を委託しているケースも多々ありますので、、、。さらに商品説明に「日本製」と書いてあれば間違い無さそうですね。
販売会社のオリジナル品とは、PB商品の様なもので「*****オリジナル商品」というような感じで販売店が製造メーカーに製品への販売店のロゴ入れなどを委託して自社製品として販売しているものです。
例えば、下記はNLAセレクトという販売店オリジナルブランドの製品。
販売店が製品全体のプロデュースをしている様なものは、特にバッテリの分野では少ないですが、自社の名前を掲げる以上、事故などが起きると自社に大きな影響を及ぼしますし、販売店側でなんからの品質確認などのレビューを行っている可能性が高く、品質を担保する大きなポイントになると思います。
バッテリを選ぶ時のポイントまとめ
前述の内容より、バッテリを選ぶ時のポイントは下記のようなものになります。
1.口コミで品質に関するネガティブな書き込みが無いか確認する
2.商品説明や商品自体にPSE認証マークがあるか確認する
3.販売店オリジナル製品があれば、それを選択する
1.は汎用的な確認方法ですが、口コミ自体が無いと確認できず大数の法則の通り、少ない口コミでは精度にブレがあるので参考にならなかったりしますので、口コミの数が少ない場合は②や③の確認を併用して製品を選ぶのが前提となります。
2.については「PSE認証」と商品説明に記載があるか確認しましょう。商品写真にPSE認証マークが付いていても実際届く品物はそうではなかったことも想定されますので商品説明に書いてあるかがミソです。また、海外製造のものの場合は①の口コミを合わせて確認して「実物はPSEマークが付いていなかった」などのネガティブな口コミが無いかも確認してみましょう。
3.は国内の販売店がオリジナル商品と表記しているところがポイントです。Amazonで中国メーカーがオリジナルと表記していても何の意味もありません。ただし、中国メーカーでも一部のメーカー(ANKERなど)は世界各国にも正式な会社を設立して進出しており、品質という面においてもかなり信頼を獲得しているメーカーですので、これらのメーカーの製品がある場合はそれを選択するのもリスクヘッジとしてすごく効果があると思います。
つまり、①~③まですべてを満たしていて、価格に折り合いが付けば確実に買いだと思います。すべてを満たしていなくても、1.と2.に関しては必ず確認して大きなリスクが潜在しないかがポイントになると思います。
冒頭でも書きましたが、今回のようなバッテリの場合は天秤の品質の一方にかかるものは「爆発・火災事故」という大きなリスクです。おそらく、モバイルバッテリなどはカバンの中やリビング・ダイニングのテーブルの上、自分の部屋などにある可能性が高く、そこで爆発や炎上を起こすと、大火傷、死亡事故、家屋の火災など、どれも許容しがたいものになると思います。
その辺りを踏まえて慎重に製品選びをする必要があります。
機器別のバッテリおすすめ商品
今まで、商品選択のポイントを書いてきましたが、上記のような視点で選択する、筆者おススメの商品をご紹介してきます。
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モバイルバッテリ
「バッテリを選ぶ時のポイントまとめ」の項目で記載した通りです。
上記でも触れましたが、モバイルバッテリでは、国際的なメーカーとして「ANKER」の製品があります。
ニッケル水素電池(乾電池 eneloop)
このジャンルはどのようなものを選択しても、比較的品質が安定していると思います。というか、リチウムイオン電池に比べ構造的にも安全性が高いです。
eneloopはPanasonicの登録商標ですが、この国産のPanasonicのものとその他のメーカーのもので価格差は総じて小さく、高くても4本で1500円程度と比較的安価なので、筆者ならPanasonic製のeneloopを選択します。
互換バッテリ
互換バッテリはいろいろな機器専用のバッテリの互換品ということです。
例えば、マキタの電動工具用のバッテリ、ダイソンのコードレス掃除機、ルンバ、ノートPCの専用バッテリを模倣してそれらで利用できるようにしたもの。
特に、マキタの専用バッテリを利用する機器は、扇風機や冷蔵庫、また同バッテリをUSBの汎用モバイルバッテリに変換するようなアダプタまで揃ってり、昨今はキャンプなどのアウトドアアクティビティでも人気があります。
で、互換品はどうなのかというと、、、筆者もいくつも互換品を利用してきましたが「まともなバッテリ」に出会う事は少なく、電池の持ちが極端に悪かったり購入して数週間で電池寿命を迎えてしまったり、純正バッテリのように数年使えるようなことはほぼありませんでした。
さらに、互換品バッテリを純正の急速充電器で充電することにより発火したり、保管していただけでバッテリが炎上したなどのトラブルも良く聞きます。
これらを踏まえるとこの種類のバッテリは純正品を購入するに越したことは無さそううね、、、。
18650汎用バッテリ
これは最近LEDペンライトやヘッドランプなどで良く利用されている乾電池型のリチウムイオンバッテリです。実際は単体の製品として製造販売されているわけでは無く、ノートPCの専用バッテリや前述のマキタのバッテリなど、専用品への組み込み向けに供給されているものです。
これが、かなりクセもので、最低限安全回路が組み込まれたものが必要なのですが、その安全回路が組み込まれている極(+側かマイナス側か)によっても安全性が異なったり、安全回路付きと記載されていても実際はまともに働かないものであったり、表記通りの容量を持っている製品が少ないなど、電池の選定が知識の無い方にとってはかなり敷居が高いです。
筆者のおすすめはNLAセレクトという日本国内の販売会社のオリジナル品。
安全性を大体的にうたっている製品なのでかなり信頼性が高そうで、電池の容量も表記通りのスペックを持っているようです。また、充電器も自社の名入りの製品を販売していてこちらもおすすめです。
リサイクルマークもチェック
安全性の問題の他にもバッテリを購入する上で重要なポイントがもうひとつありました、、、。それは利用し無くなった際の処理、捨てる方法です。
これも昨今問題になっていて、捨て方がわからない方や、正規の処分方法が邪魔くさい方たちなどが通常のゴミ一緒に捨てて、ゴミ収集車で圧縮処理をした際に発火し車ごと炎上するという事故が多発しているのです、、、。
電池の処分については、住んでいる自治体で回収日と回収場所が決められていたり、公共施設が引き取り場所に設定されていたりしますが、夫婦共働きの方などは時間が合わなかったり、場所が遠すぎて行けないなどのパターンも出てきます。そこで、一番気軽に処分ができるのが家電量販店です。
もちろん、すべての家電量販店でバッテリの回収を行っているわけではないですが大手の家電量販店であれば電池の引き取りを行ってくれるケースが多いです。
そこで、一つポイントになるのがリサイクルマーク。回収業者での引き取りの条件として「リサイクルマークの表記があること」があるのです。
実際のところはこのマークが付いていなくても引き取ってくれるとは思いますが、本来のルールはこのマークが入っている製品が前提になるようです。通販の場合はマークが入っているか入っていないかは確認が難しいですが家電量販店などで購入する際は確認しても良いポイントかと思います。
最後に
さて、充電池の安全性や選定方法について書いてきましたが記事内容は如何でしたでしょうか?
ニッケル水素電池(エネループなど)やリチウムイオン電池を使用する機会は今後もっと増えていき、住宅火災やそれに伴う火傷、ひどいと死亡事故などの危険性もどんどん高まっていくと思われます。
そんな中で購入時のちょっとした工夫で自分や家族の身を守ることができればこれほど安いものは無いのではないでしょうか?
これらのバッテリの性質上、いくら気を付けたとしても絶対に大丈夫、とは言えませんが、意識をすることでかなりリスクを減らせるのは間違いないです。
車であれ、バッテリであれ大きなエネルギーを扱う道具は便利の裏返しとして危険が付きまといます。これらの危険とうまく付き合っていくことによって生活をより便利に充実したものにできると思いますので、この記事を読まれた方は「怖いから使うのやめよう」ではなく、是非、扱い方を意識して安全に便利に活用されてください。
それではまたまた~